柔らかければいいってもんでもない。ウェットスーツのお話その2。


だいたい毎年なんかしらの新しい素材が出てくるのですが、新しい素材の売り文句はだいたい同じ。

「これまでにないフィット感を約束する柔軟性!」

とか

「サーファーのどんな動きにも追従するスーパーフレックス素材!」

とか・・・・

だいたい柔軟性を誇示したキャッチフレーズが生地メーカーさんから送られて来るのですが、はたしてほんとに柔軟性重視でいいのかなってときどき思っちゃいます。

よく伸びる素材100%で作ったウェットスーツは、快適です。
これは疑う余地はありません。

私自身もいくつかのウェットスーツを高伸縮素材で作っていますが、ほんとにビヨンビヨン伸びて快適です。

でもそれって、けして素材の力だけじゃないんですよね。

ウェットスーツは数十点のパーツを貼りあわせて、縫製して、それで完成するんですが、その中のどれかが疎かになっても快適なウェットスーツは完成しません。

特に生地の特徴を活かすのは、パーツの型取り。
型紙の作り方で結構変わってきちゃいます。

型紙がしっかりできていれば、最新素材を使わなくてもある程度快適なウェットスーツはできちゃいます。

んで、最近のウェットスーツを見ていると、パーツの配置にイロイロコストダウンの影が見えて面白いなと思います。

よくあるのが、可動部分、腕周りとか、膝周りとか首まわり。に、高伸縮の素材を配置してそれ以外は低伸縮の素材を使うパターン。

一見、理にかなった生地の配置のように思えるのですが、実はそうじゃなかったりするのです。

というのもウェットスーツって、スーツ全体で体の動きに追従するわけで、いくら可動部分に伸縮性の高い素材を使っているからといって、ほかの部分が動かないってわけじゃないんですよね。
ってことは、高伸縮の素材についていけないほかの部分が伸びてくれなくて接合部分に負担がかかっちゃうってことになりがち。

一概には言えませんが、海で見かけるウェットスーツの壊れやすい箇所って、そういう部分に多いような気がします。

各メーカーのカタログを見てもハイエンドモデルには、同一素材で全身を構成して、エントリーモデルはいろんな素材のハイブリッド。という傾向にあるようです。

それはそれでいいのですが、耐久性を考えた場合、どうなのかな?って思っちゃうわけです。

ということで、ウェットスーツのお話、まだまだ続きます。

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